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きちんと芝居をしませんか 劇団ユニットastime 主宰 今氏瑛太

インタビュー Vol.8 今氏瑛太さん(劇団ユニット astime 主宰)

劇団ユニット astime(アズタイム) は、発足3年目の劇団です。2016年2月某日、三鷹駅前の喫茶店で劇団を主宰されている今氏氏にお話を伺いました。

会話でお客さんを楽しませる

まずは、劇団を作られた経緯をお話しいただけますか?

2013年の夏頃にちょうど知り合いから「演劇祭をやるから出てみない?」って誘われて、それなら団体を立ち上げようか。という話になりました。それで、最初は僕と古根村あさみの二人だけだったのですが、キャストさんを呼んだらできそうだね。という感じで、旗揚げ公演をやって今に至っています。【astime】という名称は僕の「瑛太」と古根村の「あさみ」のアナグラムです。意味としても何々しながらということで他のこと考えながらでもちゃんと芝居ができる。何かをしながらでも見られる。そんなイメージで、【astime】を作りました。

古根村さんと旗揚げして3年目になるのですね。【astime】は、どんなお芝居をされているのですか?

私達の団体としてやりたいことは、「きちんと芝居をしませんか」ということなんです。小劇場とかへ観劇に行くことがありますが、殺陣やダンスなどが入っているのが当たり前になっています。お客様を楽しませる上での方法論としては、それでいいと思います。でも、芝居だけで勝負して面白ければいい。役者がうまいと言われればいい。と思っているので、そういったパフォーマンスを抜きにして、会話でお客さんを楽しませられるようなのを作ろうとしています。

ダンスなどを取り入れる劇団が多いのですか?

そうですね。大きいところでは、殺陣あってダンスあって、そういうのが当たり前になっているようです。それが面白いから小劇場の人たちもそれを真似ている。そういう方法があるんだったらやろうよ。ということですね。でも、そういうものより、どちらかというと昔で言えば青年座さんとかがやっているようなところをやろう。ということです。

公演

第3回公演が近づいていますが、公演は年に1回ですか? はい、今年から年2回やれたらと思っています。 稽古はどうされているのですか? 今回は年末年始も挟んだので、12月からスタートして長めにやっています。通常は2ヶ月から2ヶ月半です。2月からは週4日稽古をしています。それまでは週3日でした。稽古場所は新宿区の施設をお借りしたり、あと世田谷、今回はそこが多いですね。それまでは杉並とか中野区で区民センターとかそういうところをお借りしてやらせていただいています。三鷹の施設を使いたいのですが住んでいないとか在勤していないとかで借りづらいんです。空いているときなど借りやすくして欲しいですね。 何度も稽古を重ねるんですね。出演者全員が集まったりするのが難しかったりしませんか? そうですね。全員が集まるというのは今の時点で5回ぐらいしかなくて、その時に全員でやることの段取りだとかの演出をつけています。シーンで出演者が割れるのでそこだけ抜き出して稽古しているという感じですね。

親には反対されました

どちらで演劇を学んだのですか? 声優の養成所に通いました。代表が今は亡くなってしまいましたけど野沢那智さんのところです。そこでいろいろ教わりました。もともと、小学校の時に児童劇団に通わされていました。エキストラとかで嫌だなと思いながらテレビとかに出さされていました。それを中学か高校で友人に言ったら「演劇が好きな人」みたいになってしまって、その状態だと演劇部にも入りたくなくなってしまうんですよ。変なプレッシャーもあるし玄人だし、それで高校卒業して誰も知らないところで通っていました。 それで本格的に演劇に進むことを決めたのはいつ頃ですか? 高校くらいになって声優さんとか役者さんとかやりたいなとは思っていました。親には反対されましたけどね。 あれ、ご両親は児童劇団に通わさていたのですよね? はい。通わされていましたが、一旦それを辞めました。「それなのに何故またやるんだ。だったら続けておけばよかったじゃないか。」ということです。そして、「とりあえず大学には行きなさい。」と言うので勉強して芸術系の学部を受験しました。それで、学科は通って実技で落ちましたが大学に行くだけの学力はあるのだからもういいじゃないか。ということで、この世界に入りました。

「芝居したいなぁ」と感じた時に芝居できる場所

目標にしている劇団や役者などあるのですか? 特にはないですね。私達がやっているものに近い劇団さんは多少あったりはしますが、他の劇団さんはお客様優先なので、エンタメな要素がどこかに入っちゃうんですよね。なので、そういう意味では目標となる劇団はないです。 なるほど。将来的な劇団の姿というのをお持ちですか? 劇団員が外で売れるとか古根村が作家で脚本を依頼されるとか、外でみんなが頑張って「じゃやろうか」と言って好きなことをやるべきだと思っています。それぞれが、映像や舞台などで仕事をしてお金を稼げるようになっても、ここでは好きなことやろうというイメージです。 帰る場所みたいな感じですね。 外では芝居よりも「見せる」ことに近いので、「芝居したいなぁ」と感じた時に芝居できる場所になりたいです。 今氏さんにとって芝居とはどういうものなんですか? 表面上だけで何かをするものではないと思います。他の演出家さんとかは、大きい劇団へ行くほど、ちゃんとしたメインの役者に内面だとかを指導します。しかし、それ以外の役者には「こういう音程でやって欲しい」「こういう言い方にして欲しい」という表面的なことが多くなります。でも、それはお芝居ではなくレッスンなのです。内面をお互いにやりあってその場所で感じるものが芝居だと思います。まず、誰かだけではなくて、舞台にいる全員が芝居をすることが理想です。

――――――――――――――――――――――――――― 演劇ユニット astime 今氏瑛太 Eita IMAUJI (三鷹市下連雀から世田谷区在住) ――――――――――――――――――――――――――― インタビュー 2016年2月 Photo提供 演劇ユニット astime Interview/Text Web Edit  沼田直由 ―――――――――――――――――――――――――――

<インタビューを終えて>

インタビューの後も稽古の予定があるほど時間を惜しんで演劇に打ち込む今氏氏は、公演のメンバーのそれぞれの将来も併せて考えていらっしゃいました。学校の先生のようにメンバーの方を暖かく見守る姿勢が印象的でした。

そして、それを支えているのは、古い気の知れた友人とのバスケットボール。「三鷹の施設で汗を流した後に友人と三鷹駅付近で飲むお酒が美味しいんです」と答えていただいたときの満面の笑みを見てそう感じました。

――――――――――――――――――――――――――― <公演情報>

2016/03/16(水) ~ 2016/03/20(日)

会場

シアターKASSAI(最寄駅:新宿駅東口) 出演

今氏瑛太、古根村アサミ、獅子丸光芒、たなかともこ、南名弥(バイ・ザ・ウェィ)、高橋美幸(ミツヤプロジェクト)、神谷明奈(劇団しゃけ温泉)、チャパ・R・田中、高坂汐里、村木華子、小寺真澄男(アローズプロ)、横瀬雅斗、阿部志鴻(スターダス・21カンパニー) 脚本

古根村アサミ

演出

あしべ 料金

前売り2800円 当日券3000円 説明

たとえば、今日、世界が終わるとして。キミは、誰に、何を願うのかな」

だれかがだれかをおもってる。だれかがボクを思っている。 誰かがだれかを苦しめて、だれかが誰かをあいしてる。 誰もが、片思い、誰もがだれかを、ひたすらに、思ってる。 雪が雨にかわっても、きっとかわらず、世界は、うつくしい。 もしもう一度、あの場所に戻れたら。それでもあの選択を、するんだろうか。

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"tsu-na-ga-ru"のインタビュー

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